日報はなんとなく書き続けている人もいるかもしれません。本当に日報が必要か考えたことはあるでしょうか。日報は目的意識をもって書くのと、意味ないし書きたくないと思いながら記入するのでは効果が大きく違います。自分の成長を促す日報活用術を紹介します。
毎日の日報を意味ないと感じてしまう理由
日報は業務内容の報告をするため、疑問や相談のために使われるツールです。しかし、なんとなくダラダラと日報を書いている人も多いはず。どうして日報を意味ないと感じてしまうのでしょうか。
文字を埋めるだけになっているから
日報が必要ないと感じてしまう人は、日報の目的である業務改善を意識できていないのかもしれません。目的や目標がない日報は、ただただ文字で空欄を埋めるだけの手間がかかるもの。
文字で埋めるだけの日報は作業記録でしかないため、無駄に感じてしまうかもしれません。
日報は作成することで、自分の仕事に対する意識や行動を整理するものです。
成長のために何をすべきか、何を達成したのかを記入していかないと、続けても意味がないと感じてしまうでしょう。機械的に作業内容を書くのではなく、自分の内面や今後の成長をプラスした内容の日報を書くようにしてください。
誰からもフィードバックされないから
日報を書く上で重要なポイントが張り合いです。どんなに力を入れて日報を記入しても、それに対してフィードバックがないと張り合いがなくなってしまいます。特に仕事に対する疑問や改善点が書いてある日報は、上司や先輩にフィードバックされることで仕事へのモチベーションがアップするものです。
せっかくの日報も印鑑が押してあるだけ、見られていないといった状況では、しっかり書こうという意気込みが失われてしまいます。逆にコメントや励ましの言葉が入っていると、上司や先輩から期待されている、見守られていると感じられるので、仕事にも前向きに取り組むことができるでしょう。
部下を持つ上司の方は、日報はコメントやフィードバックをすることで教育効果が期待できるということを理解しましょう。良い点や改善点を日報を通じて記述することで、口頭で伝えるよりも印象的にすることが可能です。
日報の役割を理解していないから
日報は「ただ決まっているから書く」というように目的を意識していない人も多いでしょう。日報がない会社もあるため、「何のためにわざわざ日報を書くのか」と無駄に感じてしまいます。
上司として日報を書かせる場合には、日報の役割について伝えておくようにしてください。日報は単純な作業記録でも報告書類以上の価値があります。
日報の役割は、その日の行動や仕事内容などの見える面に加えて、今後の改善点や目標など外部からはわからない面を共有することにあります。また日報を書くという作業によって、自分で改善点や目標を振り返る役割もあります。
日報はその価値や必要性を理解せずに義務感で書いている場合が多いでしょう。上司と話し合ってどのような意味、役割があるのか知っておかなければいけません。日報がルールだからと押し付けるのではなく、その目的について上司と部下で事前に話し合うことをにお勧めします。
日報を書く必要性とは?3つの目的
日報が無駄だと考えて、日報をなくしている会社もあります。ただ、日報を書く必要性はあります。日報の必要性について3つにまとめて紹介します。
PDCAサイクルを円滑にまわす
日報を書く目的の一つがPDCAの円滑化です。日報を書くことで業務内容を振り返り、PDCAサイクルを回すことができます。
P(計画) | 『今日の目標』 |
D(実行) | 『業務内容』 |
C(評価) | 『結果と振り返り』 |
A(改善) | 『解決策』 |
日報に書く項目はPDCAのそれぞれのステップに当てはまります。『今日の目標』はその日意識して取り組むことを記載(PLAN)して、実際の取り組み内容(DO)を『業務内容』に記載します。
業務に対して『結果と振り返り』をおこなって(CHECK)、最期に『解決策』を記載(ACTION)します。
それを踏まえて次の日の目標を翌日の『今日の目標』に記載することでPDCAを自然と回し続けることができるでしょう。何度もPDCAをまわしていくことで、社会人として経験を積み、組織に貢献できる人材に成長します。
仕事の進捗状況をチームで共有する
日報を記載することは、情報を正確に共有するために重要です。仕事をしていると、伝わっているだろう、知っているだろうと思い込んでトラブルにつながるケースがあります。日報を使って、情報を確実に記載しておけば、上司や同僚に間違いなく情報共有できます。
また共同で仕事をする場合にも、今日できたこと、まだできていないことを記載しておけば進捗状況を把握することができます。
管理者にとっては進捗管理ツールとしても日報は優秀です。仕事の進捗や作業スピードがわかっていれば管理者も抱えている仕事量や、作業スピードに合わせて仕事を効率的に振り分けることができます。すでに仕事を大量に抱えているのに、さらに依頼された、仕事に余裕ができてやることがないといったミスマッチを減らすために日報が役に立つのです。
コミュニケーションを図る
コミュニケーションの取り方は人によって違います。上司や先輩にどんどん質問して話しかけるタイプもいれば、熟考タイプや遠慮しがちなタイプもいるはずです。日報はコミュニケーションの場としても役に立ちます。
仕事で困っていることや疑問点があれば日報に書いて、それをフィードバックしてもらうことでコミュニケーションを取り、仕事の悩みや疑問に対処することができます。
上司や先輩の仕事が忙しい時は、疑問や悩みをじっくり聞く時間が取れないこともあります。日報を通じたコミュニケーションであれば、空いた時間にすぐに確認、対応することが可能です。また日報の内容から普段の様子からはわからない人柄や能力を知ることができるため、人柄をより深く理解することができます。
>日報が「めんどくさい」のはなぜ?日報嫌いを解消する6つの方法
>部下に日報を書かない人がいる方必見!効果的な指導方法と対策
日報を不要だと思うのは間違い!日報のメリットとは?
日報は自分から書くのではなく、会社から書くように言われて書いている人が多いはず。それだけにやらされているだけと感じてしまいがちです。しかし、日報には多くのメリットがあります。日報を活用することで自己の成長につなげましょう。
学んだことを定着させられる
日報を書く目的の一つが学んだ内容の定着化です。新入社員の間は、初めて知ること、体験することばかりで、なかなか知識や情報が定着しません。いろいろな仕事がありすぎて、結局何をしたのか覚えていないという人も多いでしょう。
日報は業務内容を思い出して、文字で記入するために頭の中で記憶を整理します。すると頭のなかでごちゃごちゃになっていた情報が整理されるため、情報をより定着させやすくなるのです。また振り返ることによって新しい発見や気づきが生まれる場合もあります。
仕事を早く覚えたい、理解して現場の役に立ちたいと考えるのであれば、情報を整理して身につけることは最優先課題です。早く仕事を覚えるためには、新入社員こそ日報を書く習慣が役に立ちます。
基本的なビジネスマナーを学べる
社会人になると、学生とは違うマナーや慣習で行動しなければいけません。文章の書き方、提出方法もその一つです。日報を書くことで敬語の使い方や文章の構成など基本的なビジネス文書の書き方を覚えることができます。
業務内容を書くにも、読み手を考えてわかりやすく伝えているかどうか、表現や言葉使いが適切かどうかをチェックできます。仕事の報告や相談を適切におこなうスキルはどんな場面でも求められます。日報で適切な報告や連絡の仕方を学ぶことで、仕事の報告方法を学ぶことが出来るのです。
自分の成長を振り返れる
日報は会社の指示で書かされていると感じるかもしれません。しかし、日報を書くのは自分のためです。日報はすぐに振り返ることができます。数か月前、仕事を始めたての自分の日報を読みかえすと、自分がどれだけ成長したのか理解することができます。
自分の成長はなかなか実感できません。それはテストの点数のように可視化しづらいからです。日報は自分の成長を「見える化」するためにも最適のツール。このときはこんなことも知らなかった、こんなことで困っていたと振り返って、自分が積み重ねた努力や研鑽を知ることができます。
仕事ではさまざまな場面で壁にぶつかります。そんなときにも今までの成長を思い出すことがモチベーションアップにつながるでしょう。
成果や頑張りを上司にアピールできる
成果や努力は必ずしも数字に表れるものではありません。そのため成果があらわれやすい人、成果のアピールが積極的な人と比較すると、自分が埋もれてしまうと感じてしまう人もいるでしょう。
日報は自分の日々の成果を報告する場です。昇格や評価につながるポイントがあれば日報に書くことでアピールすることができます。部下の仕事は上司から見えていない部分もたくさんあります。縁の下の力持ちとして力を尽くしたことや、これから取り組みたい仕事を日報を通じて伝えることができるでしょう。
日報を無駄なものにしないために
日報を無駄なものにするか、有効に使うかは自分次第です。同じ日報を書くのであれば有効に活用することで、自分の成長や評価につなげるようにしましょう。日報を無駄にしないためにできることをまとめました。
目的意識を持って書く
日報を有効に使うためには、なぜ日報を書くのか目的を明確にしてください。日報には業務内容の振り返りや報告、情報共有の役割があります。日報を書くときにはこの日報を書くことで何を伝えたいのか、自分に対してどのような目標を設定すべきなのかを意識します。
目的意識をもって日報を書くことで、日報の方向性が定まるため、読み手にもわかりやすいまとまった内容になります。書き続けて自己成長につながる日報にするためにも日報の目的をまず考えてください。
活用しやすい日報フォーマットを作成・利用する
日報はフォーマットも重要です。日報のフォーマットがPDCAを意識した書きやすい項目のものであれば、書きながら業務の振り返りや改善、目標といったステップを進めることができます。
仕事の成果や共有すべき情報のように項目ごとのフォーマットが整っていることで自分だけでなく、上司や先輩も見やすくなります。業務時間の短縮にもなるので、活用しやすい日報フォーマットを精査して選ぶようにしてください。
下記のページで日報のエクセルテンプレートがダウンロードできるので、ご自由にお使いください。
日報作成ツールで効率的に書く
日報を圧倒的に書きやすくしてくれる日報作成ツールです。日報作成ツールnanotyは日報を書くことで、情報を簡単に一元化して共有できます。必要な項目をテンプレートにしたり、スケジュール機能を使って入力負担を減らしたり、日報を効率的に書くさまざまな機能を搭載しているツールです。
社内の共有スペースとしてコミュニティ、社内掲示板の役割も果たしてくれるため、コミュニケーションツールとしての活用もできます。社員の管理からコミュニケーション、業務の効率化まで広く対応可能です。
日報に書くことがない時の対処法
日報に書くことがない、どうしてもテンプレートの空欄が埋まらないというときには、所感として自分の意見を述べるようにします。所感とは感想から一歩踏み込んで、反省や改善などの意見を盛り込んだものです。
1日の終わりにまとめて所感を書こうとすると、業務内容や所感を思い出すのに時間がかかってしまいます。気づいたこと、思ったことはちょっとしたことでもその場でメモしておくと日報を書くときに思い出しやすくなります。業務の合間に適宜メモを取って日報を書くときに使いましょう。日報作成ツールであれば、外出先から日報を提出することもできるので移動時間を使っても良いでしょう。
また、基本的な日報の書き方を知っておくと、書く内容で困りにくくなります。下記の記事が参考になるかもしれません。
>仕事に差がつく日報の書き方!すぐ使えるフォーマットや例文も紹介
日報は意味がないものではない
日報はその価値を理解して運用すれば、コミュニケーションの円滑化、業務の効率化に大きな役割を果たしてくれます。事務的、機械的に書いてしまいがちな日報も自分の個性を出したり、成長のための振り返りツールとして活用したりすることで、その人となりを知ることができるでしょう。
パソコンやスマホで記入するほか、スケジュールと使用したり写真やファイルを添付できたりと日報作成ツールでより業務に活用しやすくなります。日報を意味ない、不要であると思い込まずに、日報を活用するための目的意識やツールの活用を見直してください。