メールで連絡できるようになって、オフィスでの仕事は飛躍的に便利になりました。電話を使わなくても、手軽に文書で報告することができます。また日報もメールで提出することで上司が外部から確認できます。しかし、メールでの日報に慣れていない社会人も多いでしょう。日報メールのポイントを紹介します。
日報メールに書くべき内容
日報メールは会社によって形式が違います。日報のテンプレートが用意されている場合もあれば、メールとして直接入力する日報もあるでしょう。日報メールに必要な、書くべき内容を紹介します。
業務内容
日報のメールで必ず必要な項目が業務内容です。業務内容の報告方法にはいくつかあります。まず時系列に業務内容を送る方法です。業務の内容や出会った人などが流れでわかりやすく、人の動きが詳細に伝わることがメリットです。
また重要な点をまとめて伝えるのであれば、業務の中でも重要事項をピックアップして箇条書きにしておきます。業務の内容とそれに対する所感を分けて書くとわかりやすくなります。
まだ仕事に不慣れで何が重要事項か判断が難しい場合は、時系列順に書いたほうがわかりやすいかもしれません。業務内容の報告はその業務によって適した形は違います。ただし、「何を」「どのくらいの時間で」「成果はどうか」という3つのポイントは必ず押さえてください。
やったことに対する振り返り
業務内容の報告は、やったことに対する状況や成果をできるだけ客観的に正確に記載するものです。しかし、業務報告だけの日報では、読んだ側が情報を把握することだけしかできません。
日報には必ずやったことに対する振り返りを加えます。気付いたことや疑問点、今後の課題等を併せて記載してください。ただし、単なる感想文にならないように注意が必要です。組織に貢献するため、自分が成長するために必要な気づき、改善点を報告してください。
業務から得た知識や反省やそれに対する改善策、改善策を具体的に実行する方法を考えることはスキルアップにつながり、上司や先輩との情報共有に欠かせません。
成果、達成度
その日の業務のほか、策定した目標や改善策に対して具体的な行動をおこなった場合は、その成果や結果も日報に記載します。良かった点だけでなく、改善の必要な点があればそれも記載してください。
成果がない、失敗した場合には、その原因や悪かった点を記載することで、行動のブラッシュアップを目指します。
反省点
日報の大きな目的の一つが、行動を振り返って反省点や今後の課題を見つけることです。ただ漠然と行動を繰り返すだけでは、成長につながりません。行動に対して反省、頭を使って解決策を考えることで日々着実に成長していきます。
記入するときも反省点や解決策の内容が以前の日報と同じものにならないように、より成長した内容を記載できるように意識してみてください。
所感
業務や自分の行動に対して、感じたことや改善点がある場合は所感として記載します。感想は自分の感じたことや思ったことをそのまま書くものですが、所感は感想を述べるだけでなく、次につなげるための仕事へのかかわり方を考えます。
「思ったようにならずに残念だった」のような内容では感想にとどまってしまいます。
自己の成長のため、組織に貢献するための考えを述べるのが所感です。「このやり方では成功しなかったため、次はアプローチを○○のように変えたいと思う」と具体的な方策を述べるようにしてください。
明日の目標と課題
明日の目標は、今日の業務内容やそれに対する反省点、所感を前提にして設定します。「営業訪問を頑張る」という書き方では内容があいまいなので、「営業3件(新商品のアプローチ)」というようにできるだけ件数や時間などを具体的に記載します。
職種によっては具体的な目標が立てにくい場合もあります。「〇〇の書類を午前中に仕上げる」のようにできるだけ内容を明確にして目標を立ててください。
明日の目標を前日に考えておくことで、翌日仕事にすぐ取り掛かることができます。また上司から事前にチェックして必要に応じて目標を修正することも可能です。
自分の分析は書かない
日報を書きなれていない時は、できるだけ文章を多くするために自己分析ばかりになってしまうことがあります。しかし、自分の仕事の評価、分析は上司や先輩の仕事であって、本人でするものではありません。
特に良くないのが「自分でも上手くいったと思います」のように過度に自己を評価するものや、「本当にダメだなぁと感じました」のように自虐的になっているものです。日報ではできる限り客観的な内容を書いて、自分の主観的すぎる評価や感情だけの内容は避けるようにしましょう。
日報の例文
【本日の業務内容】 9時~10時 全体ミーティング 10時~12時 A社訪問 (当社新製品について説明) 13時~15時 社内にて来月企画会議にための資料作成 15時~17時 当社製品の検品 17時~ 夕礼【本日の所感】 ・全体ミーティングで○○課長からの若手社員向けの訓示をいただいた。特に営業に対する姿勢について、自分との向き合い方を考えるきっかけになった。 ・A社訪問では新製品について説明する時間をいただけたものの、旧製品との違いなどが曖昧にしか説明できなかった、また時間が少ない時の説明についても事前に練習が必要と感じた。 ・企画作成について骨子案が完成。情報補填、必要性をアピールするための資料が必要に感じた。明日のミーティングで相談したいと考えている。【明日の目標】 ・ミーティングにて企画会議までに資料の準備、集め方について相談する ・新製品について短時間でも効率よく説明、アピールできるように準備 (訪問予定のB社で営業予定) |
上司から認められる日報メールの書き方
日報で大切なのは当然内容です。しかし、ちょっとした書き方のコツやテクニックを身につけるだけで、いつもの日報が格段に見やすく、洗練されたものになります。上司に認められる日報メールの書き方を紹介します。
件名に「名前」と「日報」を記載する
日報を書くときに、まず考えていただきたいのが読む人の目線です。メールとして送られてくる日報は他のメールに紛れやすく、後から探すときにも手間がかかります。そのため、メールで日報を送るときには、本文だけでなくタイトルにも「日報」と「自分の名前」を記載してください。
件名に表示することで、メールの一覧を見た上司もすぐに誰からの日報か知ることができます。大量のメールがあっても紛れ込みにくくなるでしょう。また件名に入れておくことで見つからない時にも検索しやすくなります。振り分け登録や管理もしやすくなります。
箇条書きで分かりやすくシンプルにまとめる
メールで日報を送るときには、見やすさを重視します。文章もダラダラと長くするのではなくて、箇条書きでポイントをわかりやすくまとめます。
日報は細かく丁寧に書こうとしてしまうと、ついつい長くなってしまいます。しかし、モニターでは長文の確認も手間取ります。視覚的に見やすくするため、短時間で内容を把握してもらうためにも箇条書きでシンプルにまとめてください。
数字・固有名詞をたくさん使う
日報で大切なのができるだけ具体的に記入することです。「頑張った」、「尽力した」といった言い回しは、実際にどの程度の件数を重ねたのか、どれだけの時間がかかったのかわかりません。
日報を作成するときには、どれだけの成果があったのか数字や固有名詞を入れるようにします。例えば資料作成でもただ資料作成と記載するよりも、○○のデータに関する資料作成(4P)というように具体的に記載したほうが、上司も進捗を把握しやすくなります。
営業訪問した場合もどの顧客、取引先で誰とどんな話をしたのか記載するようにすると、内容が具体的になります。
結論から書くことを意識する
日報だけでなく、ビジネスの報告で意識してほしいのが話すときには結論からスタートすることです。仕事の成果報告であれば、まず結果から話します。
仕事で上手くいかなかった場合も、初めに上手くいかなかったことを伝えてから、その理由や今後の改善策を伝えるようにしてください。ビジネスの場ではスピーディーな報告が求められます。まず結論からスタートして、現在の状況や自分の考え、意見といった付加情報は後から伝えるようにしてください。
ビジネス文書の基本や言葉遣いに注意する
上司や先輩に提出する日報であってもビジネス文書です。ビジネス文書の基本や言葉遣いには注意してください。
例えば言葉遣いや目上の方へのマナーは忘れないようにします。日報を送るときにも、宛先や署名などを確認します。また文章自体も主語と述語がはっきりしているかどうか、短くてわかりやすい文章になっているかどうかをチェックします。
名前や日付のようなちょっとしたケアレスミスでも重なれば信頼を失ってしまうでしょう。メールとして送付する前に、必ず読み返すように習慣づけてください。
一歩差をつける送付方法
日報をメールで送るのは多くの場合同僚や先輩も同じのはずです。皆で同じ日報を送るからこそ、簡単な気遣いでも他の社員と差をつけることができます。一歩先んじるための日報メールの送り方を紹介します。
1日に2回送る
日報メールはその日の業務の報告や所感がメインとなるため、一日の仕事の終わりに送るものと考えている人も多いはずです。そのため、日報メールは1日に1回、他の業務が終了してから送る人が多いでしょう。もしも日報の回数について指定されていないのであれば、1日に2回日報を送ってみてください。
終業後の日報メールのほかに、始業前に日報メールを送って1日2回です。終業後のメールが過去の情報を送るものとするなら、始業前のメールは未来の内容を送るものです。その日の予定や目標を共有しておくことで上司が業務内容や動きを把握しやすくなります。またその日の終業後の日報メールは始業前の日報を踏まえた仕事の成果について記載するようにしてください。
早く提出する
日報の評価を手っ取り早く上げる方法の一つが提出を早くすることです。日報の内容を充実させようとして遅くまでかかってしまう人もいるかもしれません。しかし、いつも日報を出すのが遅いと、イメージで仕事が遅いと思われてしまうことがあります。
また日報を遅れてまとめて出すのは基本的にはNGです。日報の提出は原則当日中。どうしても当日に提出できない場合でも翌日には提出してください。週の終わりにまとめて書くことはしないようにおすすめします。
提出前にセルフチェックする
日報は対外的な書類ではないため、そこまで厳しくチェックしないかもしれません。しかし、上司や先輩宛ての日報でも提出前には必ずセルフチェックするようにしてください。
誤字脱字はないか、記入漏れはないか、感想文になっていないかをチェックします。どんな仕事であっても、完了とする前にチェックは必要です。日報やメールも送る前にチェックする癖をつけてください。
日報がネタ切れの時に所感を書くコツ
日報は毎日書くものなので、どうしてもネタ切れを起こしてしまいます。日報がネタ切れの時には、どのように書けば良いのでしょうか。所感を上手く書くコツを紹介します。
反省点に対して具体的な改善策を考える
業務に対して悪い点を書くと、同じ内容が続いてしまうことがあります。悪い点がある場合には、それをただ記載するのではなく、具体的な改善策を考えましょう。
今やっていることに疑問を持ち、効率を考える癖をつけるとネタに困らなくなります。「この作業が手間がかかる」、「もっと効率的な方法がある」と感じた時には、忘れないようにメモしておいてください。どうすれば改善できるかを考えてメモしたり、皆がどう感じているか知るために話したりしてみましょう。
悪かった点を挙げるだけでなく、具体的にどうすれば改善できそうか検討する。気付きをメモしたり同僚と話してみたりすることで、反省すべき点を細かく洗い出すことで改善策も具体的に出しやすくなります。さらにメモや同僚との会話から効率的な改善策が生まれる可能性もあります。
上手くいった点を挙げなぜ上手くいったか分析する
上手くいっている仕事であっても、なぜ成功したのかを分析することで日報のネタになります。「なんでできないのか」とできないことから分析するよりも、「こうしたらうまくいった」のように成功したことからその理由を分析する方が具体的な方策につながりやすいはずです。
上手く言った理由が信頼関係によるものの場合は、どうして信頼関係を築けたか、信頼関係を築くためにどんなことをしたのかを考えてみます。うまくいったことを分析すると、次に似たケースの仕事があった場合にも活用できるようになるでしょう。
今日の気付きを明日の業務にどう活かすか述べる
日報で書く内容はあまりに長期的な目線のものは避けるようにします。「今後どうしていくべきか」といった内容は、長期的にまだわからないことも多くあいまいになりがちです。
長期的にあいまいな目標よりも、明日すぐにできる具体的な目標を記載してください。ミーティングで企画について発言する、アポイント件数を○件増やすといった内容ならすぐにでも実行できます。長期的な目標のためには、明日どうすればよいのかを考えて目標を立てましょう。
>日報が「めんどくさい」のはなぜ?日報嫌いを解消する6つの方法
日報メールの書き方・ポイントまとめ
IT化が進んで、日報も紙ベースのものからメールやクラウドなど進化しています。メールで送る日報も紙で提出する日報と同じで、ポイントさえ押さえていれば難しいことはありません。
メールで送る場合には前もってテンプレートを用意しておくことをおすすめします。日報を作成してメールで送付する部下も、メールを確認して内容をチェックする上司もそれぞれ相応に手間がかかるので、できるだけ効率化するようにしてください。
日報に関する手間を減らして、より業務に活用しやすくするのであれば日報作成ツール nanotyも検討してみてください。専用システムに入力しておけば、外出先でもすぐに確認してコメントすることができます。また未読既読がわかりやすくいいね!やがんばれ!といったリアクションを残すことが可能。スケジュールと連携したり、タスク管理や集計に使ったりとニーズに合わせて日報を活用してみましょう。
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