社会人が業務の報告、所感をまとめるために使う日報。一日の振り返りと聞くと日記をイメージする人もいるかもしれません。しかし日報と日記は全く別物です。どのように違うのかまとめました。
日報と日記の違い
仕事で書くように指示される日報は、個人で書く日記とは別物です。ついつい日記のようにその日に合ったことを書き連ねていると、「日報になってない」と注意されてしまうこともあります。日報と日記の違いについてまとめました。
日記は「出来事や感想を書いた個人の記録」
日記は毎日起こる出来事やそれに対する感想を書いた記録。日誌になると後日の資料にするために記録したものを言います。つまり日記はあくまで自分に起きた出来事と感情のまとめです。
一方で日報は一日ごとに行う業務の報告を言います。これは誰かに対しておこなうことを前提にしたものです。日記であればあくまでも自分に向けたものなので主観的な内容でも構いません。しかし、日報になると読み手となる第三者を想定しているため、客観性が求められます。
仕事をしていればその現場にいなかった人もいれば、違う職階、立場の社員もいます。日報は誰でもわかる具体的、客観的内容が必要です。日報を書くときには提出前に読み返して、それが誰にでも伝わるか、組織に在籍する自分を意識しているかを考えて書くようにしてください。日報の項目も客観性を意識して設定すると日報が書きやすくなるはずです。
日報は「誰かに対する仕事の報告書」
定義(意味) | 目的 | 読んでもらう対象 | |
日記 | 毎日の出来事や感想などを書いた記録 | 自分の振り返りのための記録 | 自分 |
日報 | 一日ごとに行う報告 | 会社に貢献すること | 上司や社内の第三者 |
日報と日記を区別するときに、大きな違いとなるのが書く目的です。日記は自分のため、または未来の自分に向けて書くものです。
一方で日報はあくまで仕事の一環なので、ビジネスとして成果をあげることが最終的な目標です。もちろん新入社員でまだ成果らしいものがないというケースもあります。
そのような場合でも成果を上げられるように、成長することを目的として日報を書きます。日報の中には業務の報告と感想だけになっていて、ビジネスとしての目的を忘れているものも少なくありません。
その日にできなかったことであっても「できなかった」ではなく、仕事の報告書として「どうすればできるようになるのか」の視点が求められます。目的を理解したアクションを記載することで、感想文だったものが仕事の報告書へと成長します。
ただの日記にならないよう注意すべき
上司や社内の人々に日報を読んでもらうとき、それは仕事ができる人かそうでないかを判断していると考えてください。日報はできる人、そうでない人がはっきり分かれます。
例えば反省文だけになっていて、問題点が指摘されていない日報や具体的なアクションが記述されていない日報は高い評価にはなりません。結果に対しての反省だけでなく、どうして結果につながらなかったのか、どこに問題があるのかという視点や成果を上げるための具体的なアクションが記載されているかどうかをチェックします。
日報はただ漠然と業務内容を書いていても自分の実力につながりません。日報の目的を理解して書くことで、自分の成長につながる内容にブラッシュアップされるのです。
補足:日報と日誌の違い
日報と混同されがちなものとして日誌もあります。営業日誌という形で書類を提出する企業もあるでしょう。日記は主観的な事実や感想なのに対して、日誌はあくまで客観的な事実の記録です。プライベートなら日記、オフィスなら日誌と考えても良いでしょう。
日誌と日記の共通点は記録自体を目的にしているという点です。日報は報告という目的があるため、日誌とは違います。
日報の書き方
日記と日報の違いは説明したものの、具体的にはどう書けば日報になるのでしょうか。日報はビジネス文書の基本です。日報を書く経験はビジネス文書を作るときにも役立ちます。日報を書くときのポイントを押さえておきましょう。
箇条書きを活用する
日記であればダラダラと書いても読むのは自分なので問題ありません。しかし、日報は第三者の読み手を意識するため、見やすいページ作りを意識してください。
日報を見やすく、シンプルにするには箇条書きを使います。「今日の業務内容」、「今日の結果報告」「課題と解決するための今後の改善策」というように簡単な項目分けをするだけで、見た目でわかりやすく、伝わりやすくなります。また項目は文字の大きさや太さを変えるとビジュアル面で伝わりやすくなります。
項目は仕事の内容に合わせて設定しますが、上司とすり合わせて組織の方針に沿った目標を設定してください。
感想ではなく所感を書く
日報に必ずある項目がその日の気づきや所感を記入するものです。一日の感想という項目であっても、ビジネス文書なので感想だけにならないように注意してください。
感想は、その日に感じたり思ったりしたことです。一方で所感は感想から一歩踏み込んで、自分の意見や改善策を加えます。例えば「○○が難しかったです」と書くと感想ですが、所感であれば「○○が難しく感じたため、今後の業務では○○に注意して作業を進めたいと思います」と記載します。
感想を所感にするには、まず設定した目標が達成できているかどうかを定量的に把握します。達成できた場合には、達成できた理由、できなかった場合もその理由を振り返ってください。できなかった場合には何が良くなかったのか考えて、具体的な改善策を盛り込みます。
数字を使い具体的な内容にする
所感を書く場合は、内容をできるだけ具体的にするために数字を記載するようにしてください。数字は客観的な事実なので誰が読んでもわかりやすく、その日の進捗が第三者に伝わりやすくなります。
同じ内容であっても、「資料を作成しました」よりも「10時~11時 資料作成(○○の会議資料4P)」と書いたほうが具体性があってわかりやすくなります。仕事の内容を周囲に共有するためにも、できるだけ具体的な内容を記載してください。
1日の振り返りに加え目標設定を行う
日報は組織に貢献すること、企業人として成長することを目的にしています。そのためにはやったことを報告するだけでなく、改善点・反省点を見つめ直して目標を設定してください。
日報はその日の業務内容を記載するため、目の前の課題だけに集中しがちです。しかし、長期的な目線で目標を設定、日々の記録を見返すことで自己分析に活用しましょう。また日報は上司や社内のメンバーが読んでコメント、アドバイスしてもらうことができます。フィードバックを受けることで、刺激となり成長につなげることができるでしょう。
>仕事に差がつく日報の書き方!すぐ使えるフォーマットや例文も紹介
日報作成に長い時間をかけないコツ
日報作成は慣れないうちは、どう書けば良いのかわからずに時間がかかってしまいます。日報作成は時間をかければ良くなるものではありません。効率よく充実した日報を作成するためのコツを紹介します。
フォーマットを用意しておく
日報を効率よく書くためには、あらかじめ日報のフォーマットを用意しておきましょう。日報のフォーマットがすでに用意されている場合はそれを使いますが、毎日何もない状態から加工とすればかなりの時間がかかります。
業務日報として必要な項目は決まっていますが、基本的にはその日の作業した内容と結果、今後の課題を書くようにしてください。ワードやエクセルで提出する場合はテンプレートとして保存しておきましょう。
仕事の合間にメモしておく
日報を書くコツは、終業まで書くことをためておくのではなく、業務の区切りに少しずつ書いておくことです。まとめていざ書こうとすると、なかなか業務内容を思い出せず、記憶を引き出すことに時間と手間がかかります。またせっかくの良い気づきも忘れてしまうかもしれません。
仕事の合間を見て日報に書く内容、気付きをメモしておきましょう。日報アプリやクラウド上のツールを使っている場合は外出先からスマホで書くこともできて便利です。
日報管理システムを活用する
nanotyはクラウド上で使える日報作成ツールです。報告する内容はテンプレートとして部署ごとに設定することができ、入力した内容はすぐに社員で共有できます。コメントを通じてアドバイスができるほか、いいね!やがんばれ!といったリアクションを残すことができるので、日報を書くモチベーション維持にも役立つでしょう。
nanotyは日報管理システムですが、社内掲示板は作業時間の集計といった多彩な機能も魅力です。社員のモチベーションアップや労働環境の改善、業務効率まで幅広く対応しています。
まとめ
日報は業務の一環として書くものなので、企業が求めるその人への役割を意識しなければいけません。特に新入社員や若手社員に求められるのは、組織に貢献できる人材に成長することです。また管理者は社員のモチベーションを高めて、導く役割が期待されています。
日報は日々の記録でありながら、成長を助けるツールです。過去の業務の振り返りから情報共有まで上手に活用してください。
クラウド日報管理「nanoty(ナノティ)」なら、直感的な操作性で「導入教育」は不要です。無料版(15日間)をぜひお試しください。